
壬生の新選組屯所旧跡近くの居酒屋『竜屋(たつや)』。
店内は、いまなお幕末の面影を残す。
滅多に手に入らぬ銘酒を取り揃える隠れ家的創作居酒屋として通好みに人気を博している。
●この部屋には固定パスワードが設定されています。
参加者(0):ROM(1)
Time:00:12:18 更新
ご案内:「居酒屋『竜屋(たつや)』」から紀谷榛高さんが去りました。
ご案内:「居酒屋『竜屋(たつや)』」から椿明稀彦さんが去りました。
■椿明稀彦 > (離れたがらぬ唇を漸く離したのに、相手の方から重ねられた唇に、それだけで鼓動が跳ねた。今度こそ、もっと、と更に強請りたくなる誘惑に何とか耐えきると、俯いた相手の承諾に、きっとですよ、と笑った。食事を再開すれば、寧ろ襲ってくれと言わんばかりに見える相手の行動に、予想外の「反撃」を喰らった気がして、今生でも既に幾度か訪れている店の美味い料理も酒も味わう余裕もなく。足元の怪しい相手を支えるようにしてタクシーに乗り込めば、隣に体温を感じる幸福と引き替えに、生殺し状態に耐えたのだろう――今夜だけは)
■紀谷榛高 > (涙を拭われ嬉しそうに微笑む相手を間近に、ああずっとこの笑顔が見たかったのだと、胸の奥がじんわりと温まる。ずっと、ずっととはどのくらい前からだっただろうか、頭の片隅に僅かに引っ掛かるものの、それも覆い尽くすよう何度も唇を重ねられて、もう何も考えられなくなっていく。唇をただ触れ合わせただけなのに、こんなにも心臓が息苦しい)……………、ん…(唇が離れるとゆっくりと目を開き、間近で瞬く相手の双眸を見上げ。頷くでも、承諾の返答をするでもなく、ほんの僅か離れた、相手の唇までの距離を自ら無くした。もう一度触れ合う熱さに胸が締め付けられて、このまま心臓が壊れて止まってしまうのではないかとまで錯覚する。唇を離してから、はい、とやっとの想いで絞り出した小さな声で答えると、直ぐに俯いてしまっただろう。その後食事を再開するならば、己は自分ではどうしようもない照れを隠すためにも、どんどん飲んで、べろべろに酔っ払ってしまったに違いない。戻る時はまた同じタクシーに乗って、そして、別の部屋へと帰っていく)
■椿明稀彦 > (涙を拭うように触れる指先の感触に緩く瞬くと、嬉しそうに微笑んだ。怖い、という相手の言葉には、繋いだ手をそっと包み)………落ちて下さい、……一緒に。(『千年越しの純情』、なんて誰かは言ったけれど、そんなものはもう妄執だ。怖がるなという方が可笑しい、と頭の片隅で思うものの、もう二度と、この手を離しはしないと決めている。強請った通りに紡がれる音に、もう我慢出来ぬと重ねる口吻けは甘く。目蓋閉ざして触れる感触が夢で無いことを確かめるように、幾度も重ね直して啄み。あくまで優しく触れるだけの長い口吻けを交わすと、いつまでも離れたがらぬ唇を漸く引き離し)……また、逢ってくれますか……榛高さん。(流石に遅くなった時間にちらりと時計を見ながら、唇僅かに浮かせただけの至近で囁き)
■紀谷榛高 > (大粒の滴が畳を叩く音が聞こえると、己の目頭もつんと痛む。涙を零しながら笑う相手の表情に胸が詰まって、謝る必要など無いと示すように、首を左右に振るのが精一杯。涙を拭いたいと伸ばした片手は、距離の縮んだ今なら届くかもしれない。親指が相手の頬を撫でるようにして水気を吸い取って離れ)……怖い、…音をたてて、どこかへ、落ちていくみたいだ。(感じたことの無い感情を恐れるあまり、なかなか目を開くことが出来ない。柔らかく熱い口づけの感触に、目蓋を震わせほんの僅か双眸を開いて、相手の胸元を間近に見つめ)……―――――昭彦、……(常のとおり敬称を付けようと続きを紡ぐ唇は、『さ』を発する前に塞がれた。開いたばかりの双眸を閉じて、繋いだ手を強く握り)
■椿明稀彦 > (幸せだった、と、『彼』の声がはっきりと聞こえた気がした。その途端、寸前で堪えた筈の涙が、ぼたぼたと畳を濡らし)………、すみません、……哀しい訳では、ないんです。(哀しくない訳ではないけれど、哀しいだけではない涙を、説明出来ずに困ったように笑い)……僕もですよ。貴方と居ると、舞い上がってしまって、全然思い通りにならない。初対面の同性に、突然求婚したりね……、(自分で自分が分からない、と言いながらも、その理由は分かっているのだから、どうしようもない。立ち上がりかけていた腰を落とす相手の頬に触れれば、涼やかな衣擦れの音だけが畳の上に響く。瞼落とす相手の表情見下ろせば、あと一歩で相手に手が届く、そんな堪らぬ昂揚と焦燥に焼かれながらも、ごく近い距離のままで、囁き)…――駄目、ですよ。榛高さん。眼を開けて、……今、貴方に触れているのが誰か、見て下さい……、(駄目押しとばかりに、伏した瞼の上に口吻けを捺して、我が侭を強請り)……名前、…呼んでくれない、ですか……?(強請る声音は甘く、既に閨での睦言の温度。返事を聞く間もあったのかは怪しいまま、狂おしい熱情を堪えきれぬように、熱帯びた唇を重ねて、奪い)
■紀谷榛高 > (容貌ならば、相手の方がよっぽど整っている。見られていることは重々解っていて、其れならば己もと、顎先に、首元に、手首に、指先に、熱心に視線を注ぐ。指先まで綺麗だとぼんやり考えていると、目元を覆い俯いた相手の異変に気付き、思わず腰を浮かせ)…嘉邦はきっと、……、――幸せでした。……椿さん、…どうかしましたか、(ぽつりと漏れた言葉が、己のものでは無いようで、はっと我に返る。幸せだった、その声だけが、自分のものとは違って響いたように思えて。俯く相手を案じ、確りと手を握り直そうと)……おかしいんです。貴方と居ると、どうも調子がくるう。自分が、思い通りにならない(そうしたい、と、既に思っているのではないか。不意に脳裏に浮かんだ考えに、心臓が早鐘を打ち始める。互いを阻んでいたテーブルが避けられると、引いていた予防線を取り払うようにも見えて。相手が近付くにつれ早鐘に拍車がかかり、浮かせかけていた腰もへたりと床に戻る。頬に触れられる頃には、呼吸すら苦しい)……狡い、(ぎゅっと眉を寄せて、やっと吐きだしたのは掠れたその三音のみ。顎先上げたまま、目蓋をゆっくりと下げ、双眸を閉ざし)
■椿明稀彦 > (相手が下を向いている間も、遠慮無く注がれる視線が艶やかな黒髪や、俯き加減の肩のラインを辿り。目線が合うと、相手の言葉に真摯に聞き入り)……嗚呼、……そう、きっと、……(新撰組が、好きだった、と。そんな素朴な言葉が返れば、不意に俯いて表情隠し、それでも足りずに片手で目元を覆った。「ずっと、あの頃のまま居られれば良かったのに」と、そう言った『彼』の声が、つい昨日の事のように蘇る。自分で選んだとはいえ、この店もいけない。暫し感情の奔流に任せて息を詰め、溢れかけた涙を指先で拭い隠して)……違っても、良いです。貴方が自然と、そうしたいと思ってくれるまで、待ちますから。(また、と言われる先日の一幕は情けない限りだったのだが、狡い、という単語に、不意に口元に、開き直るような笑みを浮かべ)狡いですよ。僕は狡くて、独占欲の固まりで、執念深い、自分勝手な男です。……だからきっと、僕は貴方を籠絡する為に役者になったんだ。(貴方を手に入れる為なら何でもする、とは声にするまでもない、紛れもない本音だった。繋いだままの片手を離さぬまま、席を立って卓を避け、相手の隣に膝を付き。伸ばす指先が相手の頬を撫で降ろし、顎まで辿ると、顎先を掬うように己の方へと顔向けさせ)
■紀谷榛高 > (店員を見送るまで口を開けないばかりか、顔も上げられない。視線はテーブルの上に向けられ、皿の置かれる小さな音を只管に聞いて。足音が遠ざかると、そろりと目線が上がり)……さあ、…何だろう……。…きっとこのとき、嘉邦はこう思ったのだろうな、だとか、そういう程度のものだと思いますけれど。………そうですね、嘉邦は葛岡という隊士のことを、京にも弟ができた、と手紙に書いていたようですし、古参であったからか、副長方とも交遊があったとか。…きっと、新撰組が、心底好きだったのだと思います。(テレビドラマでは様々の解釈をもって描かれている祖先。相手の興味を充足させるだけのものとは思えなかったが自分なりの見解で答え)ああ………いえ、…ええと、違う、……そもそも、恋人になる、ならない、に迷っていた筈なんです。だからこれは、違うんです。……別れることが怖いなんて、―――(動揺を隠さずに視線を彷徨わせ、温かく美味しそうな料理が湯気を上げているのも目に入らない。射抜くような目線が己に向けられているのを感じる。見ては駄目だ、見詰め会えば頷いてしまうと解っていて、暫く目線を伏せたまま迷い)………。…私が帰ろうとすれば、またあんな顔をするんでしょう、貴方は。…狡いですよ。
■椿明稀彦 > (指先に更に力籠める相手の反応に、少し、驚いたように眼を瞠り)……思い、信念、……それは、新撰組隊士としての? 是非、伺ってみたいですね……監察方、という存在は謎が多い。殆ど忍びのようなものでしょう。……宇喜多俊介が、嘉邦を兄のように慕っていた、という話は有名だし、彼が暗殺した初代局長の城沢蒲生とも、比較的親しかった、という説すらある。一般に『新撰組の粛正係』と称される櫻庭芳野などより、余程血腥い人物である筈なのに、何故かそういう評判は残ってない。(話が新撰組の事になれば、相手の話を聞きたがりつつも、手紙でも触れた、己の興味の切欠を話し)……貴方は、……貴方は、何て可愛い事を仰るんです……そんな心配は要らないのに。言葉で説明出来ないのが残念です。(相手が動揺している理由も手に取るように分かって、嬉しげに口許緩め。店員が来ても相手が指を離さぬのに、繋いだままの手をテーブルの端に寄せて、其処に置いて下さい、と空いた手で平然と指示する。ごゆっくり、と下がっていく店員をありがとう、と見送り)……逃げても良いのに。全力で追い掛けますから、……そんな事を言われては、帰したくなくなってしまう。(じっと正面の相手の顔に視線を注ぎながら、榛高さん、と相手の名を呼び。乾杯しましょうか、と言いながらも、指を絡めて掌を重ね、握り込む手を離す様子もなく)
■紀谷榛高 > (出会ってたった数日、会うのは二度目、交わした言葉も多くは無いのに、繋ぐ指先から真心が伝播するようだ。柔らかな笑みを浮かべる表情に拍動が音を立てるのは、思いがけないようでいて、どこかで予期していたようにも思える。指先に、また少し力を込めた)……そうかな、…まあ、一応、血は繋がっていますし。…―――だからかも知れませんがね、何となく、私には解る気がするんですよ。嘉邦の思いだとか、信念だとか、そういうものが。(そんなものは気のせいだと笑われてしまえばお仕舞いだと解っていて、判然としないままで己の中に眠る感覚を吐露する。唇が触れた指が跳ねるように震えて、手を下ろされてもまだ熱い)……私を恋人にして、一緒に過ごす時間が増えて、…それで、思ったような男で無かったらどうするんです。……私はそれが、怖い。貴方に幻滅されるのも、失望されるのも、(口をついて出る言葉は、惹かれているのだと言っているのも同じような言葉で。言い切ったあとに自覚しては勝手に動揺して、何か取り繕おうと口を開いたところで、相手が顔を向ける先に、店員の存在を見付け。さらに驚いた拍子に繋いだ手を思わず引っ込めようとするが、握った指先を離さなかったが故に相手の腕を軽く引いてしまって)………私は、……逃げませんよ。…先日、貴方の部屋へついて行くと承諾したときから、『受け止める』ことは決めていました。まだ『受け入れて』はいないかもしれませんが……逃げる事は、ありません。
■椿明稀彦 > (僅かに指先に返される力に、それだけで指先が震えそうで。まるで初恋のようだと、自分で可笑しくなって、僅かに口元を綻ばせた。聞かされる言葉に、己の手紙を眺める相手の姿を想像して)……貴方の筆跡にね、矢っ張り、『紀谷嘉邦』を思い出しました。(素人目にそっくり、という訳ではないのだけれど。己の主観が混じる所為か、どうしても、と困ったように笑い)……勝手な思い入れを重ねておいて、「貴方が好きだ」と言うのは不実な事だと、僕も悩みました。でも今、こうして触れて、温めたいと思うのは、貴方の指だ…――貴方ともう一度、恋が出来るのなら、こんなに嬉しい事はない。(押し戴くように唇触れさせて、その手を降ろすと、視線が重なる。言葉途切れさせた相手の表情、一挙一動から眼が離せずに)……榛高さん。僕は、『友達』では嫌です。貴方の、『只一人』の存在になりたい。急ぐつもりはありませんが、……逃げるなら、本気で、全力で逃げて下さいね。(最後に付け加える言葉は、どこか人の悪い笑みを覗かせて、横目で流し見る。顔を向けた方には、注文の品を運んでくる店員の姿)
■紀谷榛高 > (少し高い体温が指先に絡むと、じんわりと温まって心地良い。絡む指先に僅かに力を込めて、頼りなく指を繋ぎ)書き始めるまでが、長かったような気がします。椿さんの手紙をこう、机に置いて、じっと眺めて。……書きたいことは沢山有る気がして、でも言葉にならなくて、……それで、時間が掛りました。(返信が遅くなってしまって申し訳ないと苦笑し、相手の視線を追うように、視線を手元へ落とす)寒いのは苦手なんです。…椿さんは、温かい。………『友達』だったなら、逡巡の余地も無く頷いたのですけどね。…そもそも私は、恋をしたことが無かったから、…――――(語尾が掠れて、言葉が止まる。持ち上げられる己の掌とともに視線が上がり、遠い御伽噺のようなその仕草を黙ったまま見詰め)
■椿明稀彦 > (軽い会釈の仕草に、軽く片頬に微笑みを刻んで。相手に触れる掌は、代謝が良いのかそれほど冷えてはおらず、そっと握るように指を絡め)先生でもそんなに掛かるものですか。僕も丸一日掛かりましたよ……同じのを沢山、書きましたからね。(慣れぬ墨と筆と格闘したのを思い出したように笑いながら、手元へと視線を落とし)……冷たい手だ、……オペラの台詞じゃありませんが。……貴方を口説いても良いと、お墨付きを頂けたんです。大袈裟な事など何もありません。(絡めた指先を掬い上げ、流れるような所作で引き寄せて、指の背に軽く唇を落とす。恭しく、だが何処か、己のものだと主張するような、そんな仕草で)
■紀谷榛高 > (ぼやりと視線を彷徨わせている間にすっかりオーダーを任せきりにしてしまい、店員が姿を消した後で有難う御座います、と軽い会釈を。格別に寒い外気から遮断されてもなお温まりきらぬ掌の上に相手の掌が重なると、視線を相手へと向けて)そう言って頂けると、丸一日かけて書いた甲斐があるというものですが、…ちょっと大袈裟ですよ(重なった掌を離すこと無く、小さな笑みを吐息とともに吐き出し)
■椿明稀彦 > (背後から聞こえる音に、ちらりと肩越しに振り返った。それが相手が手を擦り合わせる音だと確かめると、僅かに眼を細めて、また視線を前へと戻し)……そうですね、京都の冬は寒いですが、今日はまた格別。(温かいもの、との言葉にぬる燗の酒と京風おでん、湯豆腐などを幾つか頼んで、視線を彷徨かせている様子には気付かぬように――些か不自然な程に、無関心を装って――一通り注文を済ませ。店員が居なくなると、卓の上の相手の片手を掴まえるように、片手を乗せて)……御手紙、何度も読みました。……額に入れて、飾っておきたい位に。(真っ直ぐに視線を向けて、真剣に言葉を紡ぎ)
■紀谷榛高 > (ロビーで待つ間、視線は足元へ伏せられていたが、待ち合わせの相手を見付けると、ほっとしたように表情を綻ばせ。好き嫌いもアレルギーも特に無いと相手の問いに答える最中も、やはり些かの緊張はあるものの、初体面のとき程ではなく。タクシーを降り、相手に続いて奥の個室へと歩む間、温かな店の温度に馴染ませようとするように、冷えた両手を擦り合わせ)…今夜はとくに冷えますね。何か温かいものでも頼みましょうか。(末端が冷えやすい己がたんに寒がりであるだけかもしれないが。初めて来たというのに妙に懐かしい感じのする店内を、視線をうろつかせて眺め)
■椿明稀彦 > (「お待たせしてすみません」、とロビーに現れた男は、相手の顔を見て矢張り嬉しげな微笑浮かべたものの、呼んであったタクシーへと同乗すれば、不自然に顔を凝視したりはせず、何か食べられないものはあるか等、ごく一般的な問いを向けただけだった。タクシーが停まったのは、肩の凝るような高級レストランでなく、落ち着いた雰囲気の隠れ家的な居酒屋。店へ着いて予約してあった名を告げると、奥の個室へと案内され)
ご案内:「居酒屋『竜屋(たつや)』」に椿明稀彦さんが現れました。
ご案内:「居酒屋『竜屋(たつや)』」に紀谷榛高さんが現れました。