
屯所の北の端、裏門近く。
裏門の向こうは、路地を一本挟み、壬生寺の正門となっている。
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参加者(0):ROM(1)
Time:01:37:08 更新
ご案内:「屯所―裏門近く」から櫻庭芳野さんが去りました。
■櫻庭芳野 > (暫くそうして月浴びをしていた。気が満ちる、たとえそれが錯覚であろうと何であろうと。未だもう少し、立ち止まる訳にはいかないのだ。こんな己でもまだやらなくてはならない事がある。必要だと、言ってくれる人が、場所が、あるならば。その為に己はもう少しだけ)…───まァた、待たせちまうンかねェ……(緩く口許に笑みが刻まれる。額は伏せられ、表情は月光の翳に。そうして一歩、踏み出すと。そのまま極ゆっくりとした足取りを母屋の方へと向けていくだろう)
■櫻庭芳野 > (京の都が炎に包まれ焼け落ちる光景。それは「見てきた事のように」脳裏に浮かんで消えはしない。それを振り切るかのように左右に緩く首を振ると、肩先から長く伸ばした髪の先が流れて落ちた)……────月を、眺める約束が、(まだだったなァ、と。ひとり口にして夜の空を見上げる。闇の色に金色が映えて美しい。幾度と無く見上げてきた月の光。嬉しい時も、悲しい時も、怒りに我を忘れた折も、楽しく語り笑いあった日も)……明日も綺麗な月が浮かんでるといい。
■櫻庭芳野 > (それでも数日中にはあの一触即発状態の均衡が何処かから崩れるのだろう。そして戦は本格的な局面に突入していく。京の都は、また、己の目の前で火に焼かれていくのだろうか)…────また、焼け出される人が出る、(いつも、いつの世もそうだ。戦で泣くのは無力な人々。だからせめて、回せる手がある時には。避難や救護もしなくては、と。そんな事を思いながらひとつ、深い息を吐いた)……きっと直ぐにそんな余裕は無くなるンだろうなァ。(これは全面戦争だ。恐らくどちらかが倒れるまで終わりはしないだろうと思う。であれば。どんな光景になるのかは、想像に難くない)
■櫻庭芳野 > (京都御所が天龍寺からの軍勢により襲撃されたとの一報で応戦に駆り出された三番隊を引き連れ、今、帰還。唯でさえ狙われているだろう新撰組屯所が下手に目立たぬよう表門からの帰還は避け、壬生寺を通り裏門から入った。未だ本格的な斬り合いや重火器戦にはなっておらず、ほぼ御門前での睨み合いと小競り合いで、己も隊士も、怪我や汚れは然程多くは無い。裏門前で一旦点呼を取り、翌朝の予定を確認した後で解散。母屋へと戻っていく隊士の背をその場で見送る)
ご案内:「屯所―裏門近く」に櫻庭芳野さんが現れました。
ご案内:「屯所―裏門近く」から櫻庭芳野さんが去りました。
■櫻庭芳野 > (ずっと、ずっとそうしてきた。月光を浴びると身体に力が満ちる気がしていた。月の名を持っていた昔は元より、今を生きる己も。事ある毎に、こうして夜の空に浮かぶ月を見上げて、此処まで来たのだ。月は、見えぬ未来の道標であり、遠い約束の記憶であり、信念と共に刀を振るう力でもあった)……────どうしろってンだよなァ、……(呟きと共に本音が毀れた。気丈な振りして脆い、その通りだと笑いながら。愛刀を鞘に納めて私室へと戻る道を行く。その背を月だけが見降ろしている)
■櫻庭芳野 > (暫くそうしていたがどうしても神鳴りを振うまで意識が集中できずに呼気を深く吐き出して身体を弛緩させ愛刀を下してしまう。そのまま静かに闇に覆われる天を見上げ、其処に常の如く浮かぶ月をひとり見上げた)……月も、ひとりだなァ。(そんな言葉が無意識に口をついて出た。手に携えたままの抜き身の愛刀に月の光が毀れて反射する。己はただ、一心に月を見上げている。降り注ぐ光がこの身の力になるように、と)
■櫻庭芳野 > (私室に戻り意識を切り替える為に着替える。ほぼ正装だった。愛刀・雷神丸国重を携えて向かったのは人気の無い、裏門にほど近い一角。鞘から抜いた刀を構え、暫く前から瞑目していた。微動だにしない体躯。ただ、口許だけが極々微かに動いている。そこで綴られる言葉は己の耳にさえ届かぬくらいの響き。幾度も幾度も、繰り返されている)……────悪魔降伏、怨敵退散、七難速滅、七復速生秘、……、(意識が乱れて集中できずにいる。双眸は伏せられたまま眉根が寄せられる、それが何よりの証)
ご案内:「屯所―裏門近く」に櫻庭芳野さんが現れました。
ご案内:「屯所―裏門近く」から櫻庭芳野さんが去りました。
ご案内:「屯所―裏門近く」から門脇泉助さんが去りました。
■櫻庭芳野 > (そんな、個人の紹介文のような事は知らんと笑いつつ、次いで聞こえた言葉には「居るだろ」と指を折りながら何やら名を幾つか挙げているようだ)……別に躍起になって探さずとも島原へ行けば選り取り見取りだろう。偶にはいいが、余り屯所内で手を付けてもな…規律の乱れに繋がると言われたら言い返せない。───勤務時間に抜け出た訳でも無し、そんなに小さくならずともいいだろうに。何か疚しい処でも、……まさか、局長の姐さんに手ェ出してきた訳じゃないだろうな。(思わず真剣に声を潜めてそんな事を口にし)……俺はあんたの前でそんなに猫被っていたか。猥談くらい朝飯前だ。…───ああ、(行くぞ、と促され、門扉から背を起こす。行先は聞かぬままに、ただその背を追って中へと向かい。やがて姿を消すだろう)
■門脇泉助 > ――酒は飲むか飲まれるかだからなァ。俺が宵越しの銭を持たねえのを知らねえのか。(金は多分に掛かっていると)屯所に美味そうな男が居たら、時と場合に拠ってはよろしくお願いします、だな。かと言って別に四六時中物色してる訳でもねえが。(お前はどうなのだ、と言いたげに櫻庭に視線を向けて)――局長に言うなよ。副長ならいいって訳でもねェが。(要するに上に言うなと)おお、芳野に猥談ふられたのは初めてかねぇ。(こっちの刀、と股間付近を指差す。裏門だが、一応人目のある場所なので指差すだけだ)――道場でもいいが、酒気帯びで本気のお前に勝てる気がしねえ。行くぞ。(場所は告げずに先に歩み出す。道場では無く私室の方へと向かって行くようで)
■櫻庭芳野 > 飯を食っただけで酒も入れずにそれだけ上機嫌になれるとは、金が掛からなくていいな。(言外に飲んでもいるだろうと言っている)……屯所で美味い男を探すのか、あんたは。(美味そうな男が割といるのは否定しないが、と、声を潜めるように訊ねてくる相手に笑いを小さく零しながら。閉じた門扉に軽く背を預けて、少し目線の高い相手を見上げるように視線を合わせる)逢引するのに抜く刀は別物だろうが。別にこれから道場に行って、あんたにがっつり相手して貰ったっていいんだがな。(身体もあったまる、と肩を揺らして笑う。ふたりして一頻り笑いあってから)……ああ、構わないが。道場か?(中へ、と促す相手の言葉に、真顔で聞いてみる。無論、戯れだが)
■門脇泉助 > ――夜遊びしに行ったのは間違いねえが、食ったのは飯と蕎麦くれえだ。――嗚呼、美味い男には此処でありつけそうか。(敢えて一つには絞らずに、複雑そうな笑みを見れば、ン?と小声で訊ね直す。今宵は夕方から非番だった模様。寒く為る時間に帰るのを見越していたのか、着物の上から外套を着こんでいる。閉じられる門には自分も手を掛けて力を込めて)てっきり逢引きかと思ったぞ。(冗談粧して)ま、夜中だが、道場に出向けば誰かしら……掴まっても真夜中から手前の剣の餌食にはなりたくないわな。(手許を再度見て笑う。やや酒臭い呼気が漂うか)――よーく、考えたらよ、俺と御前の合言葉なんてのは其れこそ逢引きか奸計でもするのかって感じだな。(其処で大声で笑い飛ばす)……で、だ、寒いから中入らねえか。
■櫻庭芳野 > 美味い酒を鱈腹飲んだ、賭場で儲けた、美味い男を鱈腹食った、……どれだ。(礼を向けられれば、どういたしまして、と困った奴だというような笑みと共に応える。勤務時間なら大目玉では済まされないが自由時間なら別に叱責が飛ぶものではない。己はこのようには出来ぬと思いながらその違いを寧ろ好ましく感じるのが常に不思議に思える相手に、鍛錬かと聞かれ、やはり律儀に門を閉じながら)…鍛錬と言うほどのものじゃあない。少し気を引き締めようと思って抜き身を振っていただけだ。……あんたの「泉」と俺の「桜」でいいんじゃないか。(相手が裏門から返ってくる日に毎日ここで刀を振っている訳が無いのだが上機嫌の男には逆らわずに双眸を細め)
■門脇泉助 > (門を開いて貰うと、梁がある訳でもないのに猫背になって中へと入って行き)応、芳野だ。有り難うな。男が外から上機嫌で帰って来るなんて事由は一つだろう。(フン、と鼻を鳴らし、なんぞ判別つかぬ旋律をなぞっている口)おめェ、ンなとこで鍛錬かよ真夜中に。……や、否、此処の警備か? (ご苦労さんです、と一度辞儀をし乍ら、櫻庭の手許やら打刀やらへと視線を流しつつ)んじゃァ、手前とのは一個にしようなどれがいいかね。山、川、泉、桜? (巫山戯たよな口調で言い、門扉に上半身だけ寄り掛からせて)
■櫻庭芳野 > ……七難速滅、七復速生秘、(静寂の中に口呪を唱える低い声が響く。そして一時の間の後、感情を更に極限まで抑えたような声で、───臨、と。九字護身法の第一字の音と共に、構えた愛刀を左から右に引く)…───兵、闘、者、皆、陣、烈、(ゆっくりと。碁盤の目の如くに横と縦に切り結びながら、在、まで唱え。最後の一字を口にしようと刃を己が身の左に構えた、と、同時)────……合言葉はひとつに絞ってくれると有難いんだが。(声で誰かはすぐに判った。閉じた門を己で開く気はないらしいと判断、抜いていた真剣を鞘に納め門前へと。律儀にその門を開いてやって僅かに首を傾けたような表情で相対する)…大分、御機嫌のようだな、門脇。
■門脇泉助 > (屯所に続く径をやや千鳥足で裏門迄歩んでくる大柄の影が一つ。門脇の姿が目視できぬ場所に居ても、空気の静寂を乱す存在として察知できる程度には気配を隠していない。上機嫌なのか、鼻歌が漏れ、時折、横隔膜揺らすよな吃逆を何度か)――――ェー、開け護摩か? (何やら念える男の声でも聞こえたのか、門へ向かって声張り上げて言う。反応が無かったら合言葉は、川、山、と矢継ぎ早に)
ご案内:「屯所―裏門近く」に門脇泉助さんが現れました。
■櫻庭芳野 > (相対する者は誰もいない。ひとり、裏門の灯りも乏しい一角で己が命を抜き構えた姿勢で制止。時折、雲間から覗く月の光が刃先に反射して煌くがその他に一切の動きは無く、誰かその光景を目にする者がいたならば、まるで時が止まったかのような錯覚を覚えたかもしれない。己の耳には微かに届く一定の呼吸。間合いを計っているのか、もしくは無の境地を探っているかのような、そんな同じ間隔で刻まれる呼吸が、ふと止まる)…───悪魔降伏、怨敵退散、
ご案内:「屯所―裏門近く」に櫻庭芳野さんが現れました。