清められた白砂の上に、畳二畳が撞木に並べられ、畳に白絹が敷かれ、四隅に四天。
畳の前には白絹を巻いた竹が、高さ8尺横6尺の鳥居形に立てられ、四方に4幅の白絹が張られている。
後方には白の逆さ屏風がめぐらせてある。


切腹の作法:
切腹する者は沐浴を行い身を清める。
沐浴の後、白無地の小袖と、浅葱色の無紋麻裃を、左前に袷せて着る。
縁側に、局長・副長のみが着座する。切腹は、死者の尊厳を守るため多くの隊士の目には触れさせぬ決まりになっている。
切腹者が白洲に(NPCに)案内され、二畳の白絹の上に北に向かって座する。介錯人は切腹者と反対側の門から入る。
切腹に用いる懐剣が白木の台に乗せて切腹者の前に置かれる。
切腹刀は、9寸5分。白紙で28回逆に巻いて紙縒で結び、刃先を5〜6分出す。
介錯人は、切腹者に対して名を名乗り一礼する。
介錯人は後ろに回り、介錯刀に水柄杓で水を掛けて清め、八双に構える。
切腹者は、黙礼し、右から肌脱ぎする。左で刀を取り、右手を添えて押し頂き、峰を左に向け直し、右手に持ち替え、臍の上一寸ほどへ左から右へ刀で突き立てる。
切腹者が刀を引き回す所で、介錯人は首を皮一枚残して斬る。
皮一枚残して斬ることを「抱き首」と言い、首が落ち死者が土砂に汚れるのを防ぐ。この形に斬るのが介錯人の切腹者への礼儀とされた。
すべてが済むと、すぐに白張り白縁の屏風で周囲を囲い、死者を冒涜せぬため、決して死骸を人に見せぬようにする。







●この部屋には固定パスワードが設定されています。
参加者(0):ROM(1)
Time:01:45:24 更新


ご案内:「屯所―中庭 白洲」から宇喜多俊介さんが去りました。 (11/29-03:33:25)
ご案内:「屯所―中庭 白洲」から紀谷嘉邦さんが去りました。 (11/29-03:33:13)
宇喜多俊介 > (嘗て、愛する人の本当の苦しみに添う事も出来ず、甘えて寄り掛かるばかりであった男は今、己の手で彼の命を奪い、彼の魂を手に入れた。それは只の事実であったから、誇示する必要など何処にも無かった。ただうっすらと微笑んだ侭、抱いた腕の中には未だ温もりの残る、彼の首。永久に物言わぬそれを、そっと亡骸の元に戻して――そうしてまた、戦場へと戻っていく。来世で迎えに行くと、約束した未来を切り開く為に) (11/29-03:31:55)
紀谷嘉邦 > (潜らせた刃で真一文字に腹を右へ裂くと、生命を失いかけて冷えた身体に、炎に似た猛烈な熱が押し寄せる。全ての血流が逆に巡るような不快感と、腸の抉られる激しい苦痛。苦悶を漏らしかける唇を結んで視界を闇に閉ざすと同時に、剣が振り下ろされた。神の寵愛を受けた天賦の才と、心底惚れ込んだ唯一無二の剣だ。閉じた目蓋の裏に一筋の光が見えた気がして、其処で、全ての時が止まる。否、止まったことも、既に感知してはいない。最早、縺れた運命に胸を掻き毟られることも、叶わぬ恋慕に身を焦がすことも無く、長く己を苛み続けた全ての苦痛から、解放されていた。背を真っ直ぐに立て座していた身体は前のめりにだらりと垂れ、早朝の静謐に包まれた道場で黙想をするよう、静かに双眸を閉ざした顔は、温かな懐へ鼻先を埋める。介錯人の呟きのほか声を発するものは無く、物言わぬ遺骸から懐剣が転げる軽い物音が、白砂に僅かに反響して消えた) (11/29-03:08:43)
宇喜多俊介 > (彼の部屋に散乱した黒漆の笛の残骸に、その銃弾を受けて砕け散ったのが我が身であれば良かったのにと、嘆いて死にたがった夜もあった。だが牙折れ地に蹲る時、己を立ち上がらせてくれるのはいつも、戦友達の言葉だ。彼らに恥じぬ男であろうと思えば、今この瞬間も心静かに、愛する人の最期を見送る事が出来る。―――突き立てられた刃が肉を抉る瞬間、我が身を貫いた時の感触が、まざまざと蘇る。その苦痛を知りながら、それでも表情一つ変える事無く、腹を裂くように刃が横に滑るのを待って、神速の剣をその首筋へと振り下ろした)……、……。(微かに唇震わせるのは、愛しい相手の名。彼の『一生』は、己が殺した前局長へと捧げられたものだと、そう聞かされていたから。この一太刀は、彼をその生から解き放ち、憎い恋敵から奪い取る為のものだ。最期の息も、声も、視線も奪い、己のものにする、もう離さない――首の皮一枚残すのが最上の礼儀である筈が、笹竜胆の愛刀は首を完全に断ち切ってしまっていた。ただ首が地に落ちて土砂に汚れる前に、「驚異的な身体能力」でそれを受け止め、拾い上げて片腕に抱き)……御免。(それは謝罪の言葉ではなく、儀礼的な一言のようだった。流石に手元が狂ったのか、望んでそう斬ったのか、そんな事はもう、己にも分からない) (11/29-02:44:28)
紀谷嘉邦 > (監察方として、幾人もを追い遣ってきた儀礼。その度に、己自身の墓穴も掘るつもりで生きてきた。今際に心残りは一片も無い。辞世の句も、己には必要無い。置ける心は全て置いて来られたと胸を張れる。少しの名残も惜しまずに黙礼を済ませ、肌脱ぎを。武士として一日も怠りなく自らを律したが故の均整のとれた身に、赤黒い色の染み込んだ包帯が巻かれているのも、今は誇らしい。怨嗟に狂ったみじめな男としてではなく、己をこうして武士として死なせてくれる、仲間のつけた傷だ。左手が懐剣に伸びてからは益々間延びなく、峰を向け直し右手へ持ち替える合間も、視線は真っ直ぐに前を見据え、―――息遣いも静かに、左腹部へ、刃先を突き立てる。今の己の持てる力の限りを尽くし、身の奥へと刃を潜らせた刹那、目を閉じ) (11/29-02:08:03)
宇喜多俊介 > (此処に居るのは、隊士の謀殺を企てた科で切腹を申し付けられた男と、その男に殺されかけた男だ。にも関わらず、互いの間にあるのは只穏やかで、満ち足りたような空気だけだった。懐剣が置かれると、儀礼通りの足取りで進み出て、名を名乗り)……新撰組壱番隊隊長、宇喜多俊介。…又、今井俊太郎。(介錯相務めます、と深く一礼する。名乗る声はどこか、誇らしげですらあった。刀に水柄杓で水を掛けて清め、天を突くように八双に構える) (11/29-01:51:25)
紀谷嘉邦 > (白絹に座してからも、その身は苦痛を知らしめることは無い。浮世の月にかかる雲は無しと、こんなにも清々しい心地で居られるのは、己の命を委ねるに最も信頼のおける男が、己の後ろへと歩んでくるからだ。前の世で途切れ、今生では交わらなかったと思えた絆が、今は確りと、繋がっていると感じられる。白木の台に乗せられた懐剣が、厳かに運ばれ、己の前に、音も無く置かれる。神聖なものを見るように、ひとつ、息を吐いて) (11/29-01:36:12)
宇喜多俊介 > (幾度も歩んだ事のある白い砂が、今夜は自棄に余所余所しく、眩しく見えた。別の門から入る相手の姿は、本当は立つのも辛い状態の筈なのに、立派に背筋を伸ばしていた。その事が眩しかったのかもしれない。だがそれに引け目を感じる事はなく、たとえ報われずとも、己の道を曲げぬ彼を愛した事を誇りに思う。作法に則り、厳かな歩みを進める。――腰に携える刀は、鍔に笹竜胆の家紋が入った太刀。反りの深いそれは、己の愛刀の中でも特に古いもので、今はもう絶えた家柄に縁の業物だった) (11/29-01:22:35)
紀谷嘉邦 > (清めてもなお胸部を濡らす朱色が小袖の下の包帯を染め、傷口は疼痛を齎し、失血は意識と正常な視界を奪っている。然し門を過ぎる今、不思議と脳裏は冴え、伸びた背筋は揺らぐこと無く。手を借りる無様を見せずに滑らかに歩み、案内人に従い、白絹の上へ。北へ向かい、膝を折る。どの戦よりも感覚は鋭敏に研ぎ澄まされ、血を失い青白くなり果てた顔には、一切の迷いも無い。深くゆったりとした呼吸をすると、冬の冷たい夜気が心地良く) (11/29-01:01:28)
ご案内:「屯所―中庭 白洲」に宇喜多俊介さんが現れました。 (11/29-00:53:44)
ご案内:「屯所―中庭 白洲」に紀谷嘉邦さんが現れました。 (11/29-00:53:18)
ご案内:「屯所―中庭 白洲」から宇喜多俊介さんが去りました。 (11/26-00:38:44)
ご案内:「屯所―中庭 白洲」から川上千冬さんが去りました。 (11/26-00:38:39)
川上千冬 > 身も肌も 血潮も露と 消え去るも 刃に宿るなむ 心ばかりは  ちふゆ (11/26-00:38:13)
宇喜多俊介 > (手の中に残る刃を染めた紅を、酷く美しいと思う。それは「鬼」と堕ちた所為でも、殺戮の昂揚に飲まれた所為でもなく。恐らくは只、彼らの深い絆故に)……おやすみなさい、千冬さん。(穏やかな死に顔を見つめると、微かに唇が動いて、吐息と共に言葉を押し出し。直ぐに白張り白縁の屏風で囲われる、相手の身体には指一本触れる事無く、その場を後にする。片手には、未だ血の拭われていない抜き身を手にしたまま――) (11/26-00:35:59)
川上千冬 > 先に、参ります。(唇が動いたか動かないか。打ち下ろされた瞬間など分からなかった。いつか見た神速の剣よりまだ速い、風を切る音すら聞こえぬ天才の剣技、否、神業だった。最期に想うのは、自分を黄泉へと連れ去るのは最愛の人の牙であり、魂だということ。この一閃は生涯ただ一度きりの―――死と引き換えの―――愛撫。そして抵抗むなしく鬼に啜られたのよりずっと多く、血の気の失せた躰の何処にという量で、曇りなき白刃を刹那で赤に染め上げた。躰は朽ちても魂だけはこの刃に宿る。あの人の敵を斬り裂く刃となろう。あの人を害そうとする者の剣を、時には銃の弾さえも、この身を以って受け止めよう。そして持ち主が果てるとき、共に折れて役目を終えるのだ―――……
川上千冬、享年29歳。見事な抱き首へと断たれた貌は眠っているようで、微かに開いた唇からは安らかな寝息が聞こえてきそうなほど穏やかな死に顔だったという。目尻に浮かんだ、ただ一粒の涙を除いては)
(11/26-00:23:50)
宇喜多俊介 > (局長へと向けた彼の表情は、背後に控える己からは見得ぬ。肌を晒す彼の身に残る紅の痕、冴え冴えと見守る月光の下で刃を抱く彼の姿を見れば、心の片隅でどうしても、数日前、叶わぬ片恋の相手の元へと勝手に押し掛け、しかも死に損なった己が身の愚かさ、卑小さを、思わずには居られなかったが。――抜き身の刃を手にすれば、その刀にも助けられて。全ての”雑念”は剣客の手の元に昇華されて、男の存在全てが、研ぎ澄まされた刃となる。天に向けて八双に構えた、その直後に閃く刃に、些かの遅滞もなく、紅の文字が横に引かれるのを待って。月を仰いだ彼の首筋に、その白刃を振り下ろし―――閃いた刃はこの上なく正確に、完璧な軌道を描いた。首の骨の関節を斬り落とし、頭部を完全に切断せず、首の皮一枚で胴体に繋げた状態とする。引き戻した刀は、べっとりと相手の血に染まっており) (11/26-00:18:38)
川上千冬 > (介錯人の声と水音を聞き、静かに、縁に座す局長、そして副長に黙礼する。斬首、それも新米隊士の試し斬りの場に引き出されるのを覚悟していた身に降り注いだ温情への敬意を捧げるが、頭を上げたときに真っ直ぐ局長の目を見つめる面構えは権力に牙剥く者のそれ。決して変えられぬと思われた政に刀一本と僅かの手勢で斬り込んだ。今また藩を潰す覚悟で挑んだ。長州は滅びるかもしれない。しかし西国の雄藩が死に物狂いで喰いつけば、時代に一石も投じることなく滅びることなどあるものか。この国にはその一撃が必要なのだと、信じて走った男の貌だった)―――……(無言で懐剣を取り、背後の気配にひとつ息をつく。複雑な想いの気配を背に肌脱ぎした体躯には、薄っすらと、本当に薄っすらと、櫻の花弁のような薄紅色の痕が散る。隠すどころか誇るように身を晒し、懐剣を取ってからは迷いなく、押し戴いた刃を閃かせ―――…何か白いものが男の周りで光ったと、周囲が思ったときには身に突き立てていた。肉を分けて押し入ってきた鋼を引いて、紅の一文字を書く。苦痛は、勿論ある。汗がどっと吹き出すが、激痛であればあるほどに、寄り添う心は澄んでいく。深い愛に狂気が寄り添い、想いが深まれば深まるほど、狂気も純度も増していく、ずっと間近で見ていたあの輝きを、死の間際躰で知った。一度喘ぐように見上げればいつものように天に月。とどめの刃を誘うように、首が倒れて項を月光に晒す) (11/25-23:54:18)
宇喜多俊介 > (言葉を交わすことも、視線一つ重ねる事もなかった。携える刀を眼にした相手の反応を知りながらも、何も言う事はない。この刀の持ち主が、彼との事でどれだけ苦悩したか、その一端なりとも見て知っていれば、己はただ、託された愛刀を彼の代わりに振るうだけだ。――愛する人の傍に居られて幸せだ、と笑った相手の顔に嘘は無かったと、信じられる事が嬉しかった。辞世の句を書き終わり、懐剣が置かれると、儀礼通りの厳かな足の運びで歩み出て)……新撰組壱番隊隊長、宇喜多俊介。…又の名、今井俊太郎。(幼い頃に養子に入る前の名をも名乗り、介錯相務めます、と一礼する。特に出生に秘密がある訳でもなく、局長は知っている事だ、特に反応もないだろう。冴え冴えと月明かりを跳ね返す刀に、水柄杓で水を掛けて清め) (11/25-23:31:17)
川上千冬 > (作法に則り白洲を横切って、荒れ狂う風に袂や袴の裾を取られるも、血の気を失い常より白く見えるしんなりとした肢体は決して揺るがない。介錯人の姿が視界の端へと映るが、前だけを見て進む。それでも胸中に去来するものがある。転んで埃まみれになったこと、美味しそうに遅い昼食を頬張っていた嬉しそうな表情、前にもしたような気がする「答え合わせ」。そして剣が巻き起こす風を貌に感じる位置で目の当たりにした、峻烈なる技の冴え。あの腕で斬られるのならば、充分冥土への手土産となる。そして、腰に帯びる刀が彼のものではないのも知る。万感の謝意を表したくても、僅かに睫毛を伏せることしかできない。北に向いて座すと、切腹刀の前に、短冊と筆が渡された。考え抜いた辞世の句を澱みない筆致で書きつけて渡せば、今度こそ白木の台に置かれた懐剣が置かれる) (11/25-23:10:41)
宇喜多俊介 > (花を散らすような強い風が、夜半から吹き荒れていた。雲が千切れ飛ぶように流れているが、雨は降っていない。慟哭するような空を見上げて、託された櫻庭芳野氏の愛刀、「雷神丸国重」を握り締めた。その瞳は穏やかに凪いで、一欠片の憎悪も怒りも浮かべては居ない。作法に従い、白州へと引き出されてくる相手の姿を垣間見ると、不意に蘇る記憶に、懐かしそうに眼を細め)……結局、後ろから、にはなった、な……(自分はいつ後ろから斬られてもおかしくない男だと語った「彼」に、斬るなら正面から斬ってやると宣告した、そんな過去もあった。最後に思い出すのが、何度も笑い合い、戯れ合った青年の事でないのは不思議だったが、立派な最期に立ち会える事を誇りに、相手とは逆の門から姿を現し) (11/25-22:57:46)
川上千冬 > (十一月二十五日。沐浴をして身を清め、食を絶って潔斎をした。口にしたのは差し入れられた橙色の実ひとつと僅かの白湯と、一輪挿しに活けられた季節外れの桜の花弁。美しいけれど黄泉には持って行けないそれを一枚だけ取って、はむと唇に含んだ。甘くて苦い、それは涙の味がした。黄泉比良坂には一本だけ桜が咲いていると聞くけれど、この桜はどんな名木よりも美しい。そんな気がした。与えられた小袖と裃に袖を通し、死出の旅路に出るに相応しい形へと静かに着付ける。腰を越える髪を切ることを勧められたが姿を変えることを拒み、頭の高い位置でまとめてもらった。案内人に導かれて涅槃門へと向かう折、弱々しい光を投げかける月を一度見上げ)―――わしは、よくよく権力に逆らうんが好きらしい。(満ち足りた微笑みで頬を飾り、頭を高く上げて往く。その姿は負けてなお膝を屈せぬ、賊軍の将めいた気魄を全身に漲らせていた) (11/25-22:42:02)
ご案内:「屯所―中庭 白洲」に宇喜多俊介さんが現れました。 (11/25-22:33:33)
ご案内:「屯所―中庭 白洲」に川上千冬さんが現れました。 (11/25-22:27:09)