徳川将軍家御典医にして江戸幕府西洋医学所頭取『松本良順』のもとで蘭方医学を治めた弟子『小川良庵』の営む診療所。
九条東寺の近隣に門を構える。







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Time:01:39:31 更新


ご案内:「小川良庵診療所」から宇喜多俊介さんが去りました。 (11/25-19:21:33)
宇喜多俊介 > (それにまだ、他にもやらねばならない事がある。今宵切腹を申し付けられた長州の間者は、幾度も他愛無い会話を交わした、己にとっても『親しい』人間であったけれど。彼の事で、三番隊隊長がどれだけ苦しんだかを知っていれば、己は只、託された愛刀を彼の代わりに振るうだけだ。柄を指先でなぞると、ゆっくりと歩き出す――あの日以来、食事を取っていない男は、膳所に顔を出す事なく自室へと戻り) (11/25-19:21:08)
宇喜多俊介 > ……どんな理由が在ろうとも、……命を、信頼を、踏み躙った事に、変わりはない。(仇討ちは正当と、己の中の「鬼」が叫ぶ。ならば、己が討たれるのもまた、正しい事なのだろう。ゆっくりと頭を上げると、来た道を振り返る)……、(だから、貴方は悪くないのだと。心の中で呟くだけで、声にはならず) (11/25-19:11:13)
ご案内:「小川良庵診療所」から三波和佐さんが去りました。 (11/25-19:01:36)
宇喜多俊介 > ……何の為かは知りませんが。「己を斬るべき」人間以外なら、平気で謀り惑わせ、父親を憎む理由などないと言う、あんな男に「罪の意識」があったなど。貴方は随分なお人好しだ。(その事だけは、何百年経っても譲れぬ暗い怒りの源であったから。言い捨てる、その眼は目覚めた「鬼」のもの)……いいえ、貴方の口から聞けて良かった。わたくしの仇討ちは正当。今度こそ、罪なき女御様を手に掛けた罪を償わせて差し上げます――…(語られた事には感謝していると、生前の皮肉げな笑みを口元に刻んで、鬼が笑う。向けられる、静かな微笑みに、壱番隊隊長は答えを返さずに、黙したまま一礼して彼の背を見送り) (11/25-19:00:11)
三波和佐 > (顔を上げ、彼の眸を見詰める。烈しい怒りに炯々と光るその相貌は確かに既に人のものでなく、己と同じ「鬼」のそれとしか見えなかった)――何故そうなったのかは、“彼”が語るべき事なんやろう、本当は俺が何を言う事も相応しくないのかもしれん、とも思うけれど。……あの時、俺と“彼”は……橘さまこそが“彼”を斬るべき人なんやと、誤認していた。(幾人かの会話を経て、そうに違いないと判じた、己の愚かさ故だ。己が愚かだった為に、己の判断を信じた“彼”までも惑わせてしまった、と。そして真実に気付いた時には、全てが遅かった)……罪の意識に苦しんでいたのは俺の眼から見て本当や、ずっと裁いてくれる人を探してた。“彼”が逃げる理由なんか何処にも無かった。……(其処まで告げて口を噤み、再び歩み始める。枯葉を踏む乾いた音を立てながら)……俺は“彼”やないから、俺が語っても意味の無い話なのかもしれん、けれど。ただ、知る限りの事実を伝えたかった……(だが、それすらも余計なことだったのかも知れない。それ以上の事は口を噤み、「鬼」を憎む彼の言葉を聞く。表情は常の、副長然とした――しかし苦さを隠しきれないものに戻り)……そう、だったのかい。……(鬼に両親を殺されたと、そう告げる彼に、鬼の己が何を言う事が出来るだろう。その時彼が“子供”であったならば尚更の事で、痛ましさに眉を寄せる。硬く閉ざされ、やがて再び開かれた両眼を見詰め返しながら、暫しの後に口を開く)……もはや俺が言える事は何も無え、みてえだな。……却って苦しみを増やすような言葉を掛けて、済まなかった。……そうだな、春のことは、春に……(真っ直ぐの、射る様な眼差しに微かに笑んで。ゆっくりと屯所に向かって歩き出す。彼が共に歩むか否か、同行を強いはせず)……俺に出来る事は、この先も、新選組の副長が一人として、そして一匹の鬼として、生きていくことだけだ……。(呟きを初冬の風が攫う。懺悔、或いは決意の言葉を最後に、枯葉舞う中を歩み去り) (11/25-18:46:16)
宇喜多俊介 > ……鬼が、眷属とした者に大して、絶対の力を持つことくらい、……鬼を討つ力と使命を持つ人が、知らなかった訳が無いでしょう。(その彼が何時から、鬼の僕として動いていたのかは知らない。故に、言いたいことの幾つかは飲み込んで、視線を空へと向け)……俺の本当の両親は、鬼に殺されました。両親は俺を納戸に隠して、――俺の目の前で死にました。長門局長が偶々俺を訪ねてくれなかったら、俺も死んでいたでしょう。(柔らかい子どもの肉を見る、”捕食者”の眼をした鬼。姿形は良く覚えていないけれど、戸の隙間から覗いたその眼差しを、恐怖と共に覚えている。硬く眼を瞑って、それから再び相手に向き直り)……どれだけ「鬼」を憎んでも、この身に「鬼」を討つ力は無かった。貴方達と闘えなかったのは、無念です。……春馬さんの事は、春馬さんに聞きます。(己の身の内に目覚めた「鬼」を殺す事も、己では叶わぬ。苦渋を滲ませながらも、真っ直ぐに相手を見つめ) (11/25-18:32:21)
宇喜多俊介 > 分からない人ですね……たとえ貴方が、わたくしの意図をどう判じて、萩の左京大夫に何を告げていたとしても。罪を償う機会を得る『可能性のある』わたくしを謀って、「藤原に居なければ橘側に」などと虚言を吐き、「将門公の文を持っている」と嘯き、罪咎から逃げたのはあの男であって、貴方ではない。――わたくしは貴方から、『正しい答え』を受け取った筈だった。わたくしがあの時、あの男を「萩の左京大夫」と呼んで、貴方が彼と面識がある事を確かめた事、気付いて居たでしょう。(なのに、その当人に否定されて。蟲毒の持ち主は、己の犯した罪に苦しんで償いたがっている筈だなどと、甘ったるい幻想に溺れて真実を見誤った。相手の謝罪はお門違いだと、立ち止まる相手を赫怒に燃える眼差しが射抜き) (11/25-18:16:43)
三波和佐 > (彼の言わんとすることを悟り、しかし、では何故部屋に篭っていたのか、などと問う事は出来なかった。夕暮れて次第に紫紺へとうつり変わる空の下、暫し沈黙がおりて。……やがて呼ばれた『名前』と、その声の響きに、彼に向けていた目を微かに瞠る)……もう一人の鬼、か。(彼は既に全て知っているのだろう、石田が鬼である事も、己が鬼である事も。驚きこそあれ、紡がれる言葉に口を差し挟むことはせず、黙したまま、それこそ刃のように胸を抉る眼差しを受けていた。――が、立ち上る鬼気に、確かに人間であった筈の彼の身に起きた事を知り、息を飲んで)……あの時、俺が気付いていれば。魘される透流はんが呼んだ「誰か」について、もっと考えていれば、最後に会った時の透流はんの様子に気付いていれば、俺は正しい答えを“彼”に差し出せたのではとずっと考えてた。……俺が、貴方の憎む“彼”について語るのも見当違いなんかもしれん。そして俺は憎まれて当然や、それだけの罪を幾つも重ねた。その為に今生、鬼になったのかも知れんとも……。(いつしか歩む足は止まり、体ごと彼へと向き直って。薄らいだ表情に苦渋の色を滲ませ、言葉を重ねる)……ただ、伝えたかった。今生、俺は彼が“彼”と知らずに噛んで、眷属にして、彼の全てを奪った。力も、彼の持つ物も、情報も、俺が命じれば彼は逆らえなかった。……だから何だ、って話やけど、透流はんと俊介はんに知って欲しかった。庇ってる訳でも何でもない、俺と“彼”の間に起こった出来事、を。……(言葉を終えるまで向けた眼差しを逸らす事はなく、ただ、喘ぐように息を吐いて)……貴方の役に立てなかった。……ごめんなさい。(ゆっくりと頭を垂れる影が、夕闇迫る路地に長く伸び) (11/25-18:02:45)
宇喜多俊介 > そう、……俺が飯も食えないで寝込んでるなんてさ。また、長州の間者に毒でも盛られたんじゃ、って騒ぎになると思って。(だからおたふく風邪は嘘だと、暗に告げながら。だが、「何で悔しいのか」と聞かれれば、また表情を硬くして黙り込み。二人分の足音だけが、静かな夕暮れの京に響く)……、……正さん。貴方の魂が此処にある事、「もう一人の鬼」から聞いていました。(ごく自然に石田副長の名が出たのは、その所為だった。紡ぐ言葉は、先程までの覇気のない声でも、常ののんびりした口調でもなく)……わたくしはね、今でも、貴方の事が嫌いじゃありません。長い時を経て、貴方に悪意は無かったのかもしれないと、そう思っても居ます。……でも、貴方が憎い。”あの男”が、…――貴方が庇ったあの罪深い男が、貴方の同情でひとときでも安息を得たと思うだけで、貴方が憎くて堪らない。(強過ぎる怒りと憎しみで「鬼」と化した男は、明確な憎悪の籠もった眼差しを相手へと向けて) (11/25-17:36:31)
三波和佐 > (静かな通りに響く高下駄の音。今は周囲に威嚇するべき敵も居らず、その軽やかな音に、風に揺れる木々の葉擦れが重なって、やけに耳に染みる)……そうかい。はは、俊が飯も食わねえで寝込んでるっていうから、余程の事だろうと心配したもんさ。……あいすくりん、……そりゃまた、随分と珍しいもんを。ああ…遼は良い男だよ。粋で飄々として、そのくせ熱い所も有る。(彼の表情緩んだことに安堵し、自らも表情和ませて。何で悔しいんだい、などと軽く肩を揺るがせて―― そうして幾らか歩いた所で、ふっと逡巡するように口を閉ざし、やがて静かに問う)……俺はずっと、役立たずだった事を悔いていた。手掛りがあったのに、俺はそれに気付けず、俺を信じてくれた人を二人も、誤った結末に導いてしまった。……(呟きは独白にも似て、それでいて普段は使わぬ西訛りの奇妙な響きが有る。真っ直ぐ前を見ていた視線を、隣に並ぶ彼へと向け)……「透流はん」、……貴方を失意させ、鬼になって死んだ男を、覚えてはりますか。 (11/25-17:13:56)
宇喜多俊介 > (己の嘘に納得してくれたらしい相手に、少しだけ安堵したように頷き返して、歩き出す。意気揚々と闊歩する高下駄の音も、今は枯葉に包み込まれるだけで)俺は、怪我は無いですよ、……あ、風邪、……おたふく風邪でした。もう大丈夫。(思い出したように言う。泣き腫らした顔の言い訳に使った時には、もう少し取り繕えていた筈なのに、全く整合性が取れていない)……遼さんが、家に呼んでくれて、あいすくりん、を御馳走になりました。……悔しいけど、良い男ですね、あの人。(やっと少し笑って、口元を緩め) (11/25-17:00:03)
三波和佐 > (表情が乏しくなる、言葉にすればそれだけの変化。だが今の彼は、表情の変化乏しいがゆえに、まるで別人の様にすら見える。己もまた、笑みを収めて、彼の言葉を聞く)……何だ、そうだったのかい、知らなかったよ。先生が居ないとなれば、出直した方が良さそうだな。(日頃、宇喜多は嘘が上手い人物だったろうか。己が知る限り、彼は嘘偽りとは縁遠い人柄だった様に思える。だからこそか、彼の何処かぎこちない言葉に反駁する事など無く、素直に頷いて。行こう、と彼の隣に並び、歩き出そうとする。夕焼けの赤い日差しが紅葉をより赤く染めて、眩しげに目を細らせ)……俊は、風邪やら怪我やらの調子は大丈夫なのかい。 (11/25-16:49:09)
宇喜多俊介 > (数日前までの憔悴の色は無く、顔色も極普通に戻っているが、それ故に変化に乏しい表情が目立った。笑い掛けてくれる相手に、何か一度口を開けて、閉じた。自分がどうやって笑っていたのか、もう思い出せない)……嗚呼、そうですか。……あ、先生、往診に出掛けてるみたいで……少し、歩きませんか。(ぎこちない、その場凌ぎの嘘は上手くない。最悪の結果を聞く事を恐れて、相手をも真実から遠ざけようというのか、そんな言葉を口にし) (11/25-16:39:19)
三波和佐 > (日常では歳以上に若々しく明るく、そして戦場では研いだ刃のように鋭い気を纏っている彼の事だ、ぼんやりとしたその表情は場所と隊服との不整合も相俟って、見る者に何処か不安を抱かせるものがあった。此方を向いた彼に目を細めて笑みを零しながら、歩調緩めて彼の隣にまで向かう)……嘉さんの具合はどうかと思ってな。(互いに付き合い古い間柄ゆえ、浪士組時代から、兄の様に紀谷を頼りにしていた事も知れているだろう。それ故の気安い言葉だったが、表情に戯れた色などは無い)……俊は? 俊もお見舞いかい。 (11/25-16:24:01)
宇喜多俊介 > (そもそもが目立つ隊服姿、ぼんやりと空を眺めているように往来に立ち止まっている姿は異質だろう。足音には気付いていたが、掛けられる声の主に気付くと、其方へと顔を向け)……和さん。……どうしたんですか、こんな所で。(ゆっくりと瞬くと、不思議そうに問い) (11/25-16:16:40)
三波和佐 > (東寺の方角からやってくる男一人。診療所前で浅葱の羽織を見かけると、其方に向かって足早に歩み来る。戦の喧騒から幾分離れた場所柄か、周囲は静かで、道に積もる落ち葉を踏む乾いた音が、彼の耳にも届くかも知れず)――俊。(掛けた声は低く静かなもの。彼に制止されること無くば、そのまま隣にまで足を進める心算) (11/25-16:10:42)
ご案内:「小川良庵診療所」に三波和佐さんが現れました。 (11/25-16:07:08)
宇喜多俊介 > (彼がまだ眠っていても、先日のように勝手にではなく、医師の許可を得て見舞う事も出来るかもしれない。少なくとも、中に入って面会を求めれば、容態を聞く事くらいは出来るだろう。それでも、此処まで来たのにそれ以上動けずに、紅葉した枯葉が風に飛ばされて足元に落ちるのを無言で眺め遣り) (11/25-16:04:45)
宇喜多俊介 > (偶然通りがかるには、屯所から多少の距離がある、九条東寺近隣の診療所。足を止めた男は、通りの向こうからその門構えを見上げるものの、中に入ろうとはせず、その場で立ち尽くし) (11/25-15:50:49)
ご案内:「小川良庵診療所」に宇喜多俊介さんが現れました。 (11/25-15:46:25)