
京の市中や新選組屯所で発生した事件を記載します。
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新選組概要
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Time:01:35:56 更新
本日の事件 > ・
<本日の事件>
藤堂幸之助、戦が終わり、局長が戻ってきた時を計って局長室へと。
用件は狙撃部隊の件なのだと告げて、許されれば中へと入る。
挨拶を述べた後、本題へと入り
「局長、三波さんから話がいっているかと思いますが、その件で一つお願いがあります。
狙撃部隊を壱番隊へ組み込んではもらえないでしょうか?
通常の部隊との連携も考えるのであれば、出来うる限り一つの隊と一緒に動きたく思います。
宇喜多隊長よりも部隊発足の際には壱番隊へという打診もありました。
もちろん将来的には各部隊に狙撃隊を各隊に作る、または独立させるということもあるでしょうが、よろしくお願いします」
そう告げ終えると深く頭を下げる。
ただ、自分自身が宇喜多と共に戦いたいのだとは、流石にわがままだろうと思いそれは口にする事はない。
長門雄作「わかった。其の件は、三波と宇喜多に一任する。」
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本日の事件 > ・
<本日の事件>
天王山 宝積寺。
長門雄作、
細く夜空にたなびく弔いの煙を眺めながら、傍らに立つ三波和佐に、
「おめぇの言ってた精鋭の狙撃部隊を作る案な。
採用だ。
刀振りまわしてるだけじゃァ、大砲や砲弾持ってる西国藩がいつかこの国を支配する日が来ると、今回の戦でつくづく解った。
禁門が破られても冷静に戦局を眺め、幕府軍の勝利が確信できるまで援軍を出さなかった薩摩は、早晩俺たちの敵に回る。
それまでに、西洋の銃を使いこなし、薩摩より強くならねぇとな。」
其れから、暫く口を噤んだ後で、
「―――――…、なァ、
和。
お前が、昔いた世界には、武士道は、まだ生きていたか」
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本日の事件 > ・
<本日の事件>
薩摩の巨象 西郷吉之助動く。
戦局を慎重に見極めていた薩摩軍がついに重い腰を上げ、幕府軍につき、圧倒的火力を持つ最新兵器により、長州軍に砲撃を開始した。
すさまじいスペンサー銃の威力で、御所には、瞬く間に長州兵の死骸の山が築かれていく。
「もはや、これまで」
来島又兵衛は御所内で馬上の自らの喉を突き自刃して果てた。
久坂玄瑞、入江九一、寺島忠三郎は、新選組と会津軍が踏み込んだ鷹司邸で、炎の中、自刀した。
桂小五郎は床下を潜り、逃げ延びた。
会津軍および新選組が砲撃した鷹司邸と、敗走する長州軍が火を放った長州藩伏見藩邸の二か所から上がった火は、風に煽られ大火災となり、北は一条通から南は七条の東本願寺に至る広い範囲の街区や社寺が焼失。
2万7000世帯 焼失。
焼失町数811町
焼失戸数49,414軒
全体負傷者744名、死者340名
両軍死者は、長州軍281名、幕府軍101名。
長州軍敗走兵は、天王山の陣に退却したが、下級兵士たちは真木和泉の命により長州に落ち延びることとなった。
しかし、真木和泉ら十七人の志士だけは残り、天王山山頂に「尊皇攘夷」「討会奸薩賊」の旗を翻し、凄絶な切腹を遂げた。
新選組が、鷹司邸から敗走する長州兵を追い、天王山本陣に到着したときには、すでにすべてが終わっていた。
戦火をくぐり抜け疲れ切った新選組隊士たちではあったが、真木和泉ら十七名志士の遺体を天王山中腹の宝積寺(ほうしゃくじ)に運び、手厚く埋葬した。
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本日の事件 > ・
<本日の事件>
副長 三波和佐
藤堂幸之助の進言を受け、長門局長に、銃火器を専門に取り扱う狙撃部隊の新設を提案。
これまでは刀や槍の補助武器としての位置付けであった歩兵銃や、大砲、ガトリング銃が、戦の趨勢を決める事が多くなるだろうと見越してのこと。
また、既に武器として完成している日本刀とは違い、銃火器にはこれから先、更なる改良が見込まれることから、そういった変化に柔軟に対応し、戦術を練って他の隊士達に指導していける専門の者が必要だとの考え。
「銃火器が便利だから、それに頼って刀を疎かにする……って意味じゃあない。
刀と同様に練度を高め、己の命を預ける事で、銃火器もまた、これからの時代の『戦士の魂』になり得るんじゃねえかと考えた」
部隊を編成する人員や、部隊の試用に関しては、藤堂幸之助の進言をほぼそのまま採用する形。
・銃に熱意や適正が有り、目が良い――特に夜目がきく者を選抜。
大人数の鉄砲隊とはまた異なる、少人数の部隊で行動し、敵方の砲撃手や射手を早期に無力化出来る部隊とするのが目標。
・部隊の活動が軌道に乗るまでは、壱番隊、または二番隊と共に行動することで戦場での経験を積み、実用に耐え得る技術を磨く。
「隊長には、これまで砲術指南として当たってきた隊士を。
その補佐として、藤堂幸之助を配置する。
藤堂はよく気が利くし、周囲の調和を重んじる性質だ。
それでいて、必要と有らば物怖じせず上に進言する肝っ玉も有る。
新しく出来たばかりの部隊を纏めるには、不可欠の存在だと思う」
狙撃部隊の新設が叶うのならば、自らも副長としてその支援をし、責任者となることを併せて伝えた。
「何でこの慌しい時にと思われるかも知れねえが……
部隊の新設には何かと金が掛かる。
ましてうちの台所事情はいつだって厳しい。
だが、今回の戦で、お偉方にも鉄砲や大砲の恐ろしさが身に染みた今なら、『狙撃隊の新設の為に支援を頂きたい』って要望も通りやすい気がするんだ。
そう考えると、新部隊の編成をいつやるか?今しかないだろ、って話だ」
……と、長門局長にこっそり告げたりもしたのだった。
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本日の事件 > ・
長門雄作
「戦の最中に、ちんたらちんたらやってんじゃねえぞ!!
気にいらねぇ奴がいるなら、命がけでぶち殺して来い!!
見上げた根性だ。
俺が介錯してやる」
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本日の事件 > ・
<本日の事件>
十一月二十八日、深夜。
玲瓏たる月の見下ろす夜に、紀谷嘉邦の切腹は執り行われた。
報せを受けた武蔵国の紀谷の親族は、生前の厚情に丁重な礼を述べたのち、どうか戦友達と共に眠らせてやって欲しいと申し立て、遺体は壬生寺へ埋葬されることとなった。
紀谷は二十八日の朝、数通の手紙を書き遺していたが、その他、牢番に遺品の整理を願い出ていた。
遺髪を葛岡馨に、
自らの隊服を三波和佐に、
無銘の打刀と脇差を丹村春馬に、
長巻を五十鈴秋芳に、
反古紙を束ねて作った小ぶりの冊子を宇喜多俊介に、
其々、受け取ることを拒まれなければ、届けて欲しいと言い遺す。
宇喜多の手に渡った冊子は、紀谷が平素より持ち歩いていた覚書き、手記であり、監察方としての紀谷の行動記録、敵方の情報、新撰組隊士の名、懇意の両替商の名や役人の名などが、順序立てず雑多に羅列されている。
いつ何処で誰を召し捕った、どこぞの役人と会ったなど几帳面そうな文字で細々綴られる余白には、探索先で見た様々の景色を書き留め、時に自作の和歌なども記していた。
表紙の見返しには幾つも漢字が並び、字引として使っていたのだろう様子も伺える。
どの頁も新撰組に対する篤い思いと、生真面目に隊務をこなす様子、平穏な日々や自然を深く愛する心に溢れ、他人に見せることを想定して居らぬ故であろう、紀谷の人柄を色濃く映していた。
そして、誰にも手渡されず残った、砕けた黒漆の笛、金属製の蜻蛉玉飾り、手縫いの獏を模した物は、紀谷とともに埋葬された。
図らずも紀谷嘉邦の眠る墓の傍らには、城沢蒲生が眠っている。
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本日の事件 > ・
「全隊士に告ぐ。
今まで放っておいたが、無駄な方向へ諍いが派生して行く気配が有るので、言っておく。
「当事者」以外は、首を突っ込むな。
京雀どもが、自己満足の大きなお世話で不必要にピーチク嘴突っ込んできやがるのと同じ。
当事者同士だけなら短時間で解決できる事を、ハタが余計な口出しをして、引っ掻き廻しているのだと気づけ。」
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本日の事件 > ・
<本日の事件>
午後。
丹村春馬、局長室にて長門雄作と対座。
丹村春馬「局長。
俺ァちっと蛤御門で下手ァ打って大怪我しちまってよォ。
長州モンの刀なんかで死んだとあっちゃあ名折れだァ、死ぬ時ゃ自分の手で死にてぇ。
もし今晩死んだらよ、楽にしてくれた奴ァ介錯してくれた恩人だァな。
――良くしてやってくれや」
長門雄作「春。
寝言ほざいてんじゃねぇぞ。
無駄死になんざ、俺が許さん。
死ぬ時ァ、戦場で敵軍道連れにして死ね。
地獄なら、此れから先も幾らでも見せてやるから、俺と生きろ。
此の組を支える副長は、俺が選んだ。
和、遼、そして御前には、とことん俺に付き合って貰う。
土台も支えりゃ雨露も凌ぎ、懐の深さがハンパねえ和は、何時まで経っても距離を縮めて来ず、頭が抜群に切れやがるくせにあの通り控え目だ。
不思議なモンで、そういう奴だからこそ、あいつの俺に与える影響は凄まじく大きい。
それから、武骨モンでわざわざ悪役を買う偽悪者の遼。
遼の好嫌の感覚は俺に似てやがるから心地よさが有る。
あいつがカチンと来てる時は、大方、理解できる。
ただ、あいつの行動は、偽悪の上に成立しているから、ハタからは見えにくい。
時々俺が喋っているのかと眩暈がする。
そして、男気も有り気風の良い春。
御前も俊介も、今までの運と間の悪さを、此れから挽回すりゃァ良い。
てなわけで、其の願いは聞けねェよ。
とことん俺に付き合って、この先の世がどうなるかをとことん見届けて、生きて、死ぬなら俺の隣で戦場で死にやがれ。
俊介もだ。
あいつも地の果てまで、付き合わせる。」
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本日の事件 > ・
<本日の事件>
宇喜多俊介。
銃撃戦の合間、束の間、屯所へ戻る。
局長室で局長と対坐し、
「長門局長。
川上千冬、紀谷嘉邦、両名の介錯人を申し付け頂き、有り難う存じます。
御存知でしょうが、俺は雄さんに一生言えない事も、男として恥ずべき馬鹿な真似もしました。
これから先もまた、愚かな過ちを犯すかもしれません。
ですが、貴方に此の剣を捧げた事を、悔いた事は一片たりとも有りません。
江戸の道場時代より今日まで、一人前の剣客として育てて頂き、有り難うございました」
手を付いて深く頭を垂れ、一礼して顔を上げる。
そこにあるのは、悲嘆に泣き暮れ憔悴した幼子の顔でも、一度は親友を手に掛けようとすらし、瀕死の怪我人の枕元で自刃を図った狂恋の虜でも、度重なる絶望の果てに、感情も意志も全て擦り切れさせた抜け殻でもなく、まして、怨念と憎悪に縛られた『鬼』の顔でもない。
それらの全てを抱え、矛盾に迷い悩み。
時に牙折れ、地に蹲って猶、己が信ずる「誠」の為に闘う事を止めぬ、一人の男の顔だった。
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本日の事件 > ・
<本日の事件>
櫻庭芳野
砲術隊が鷹司邸に火の雨を降らせ、中に籠る長州軍勢が溜まらずに飛び出してきた所をガトリング砲で迎え撃つ。
そうして酷使された重火器が身に溜めた熱によって一時使用不可になった頃。
三番隊を中心とした刀戦の精鋭を引き連れ、火の勢いも収まらぬ鷹司邸に雪崩れ込む。
名乗りを上げる声が告げるのは、新撰組三番隊隊長・櫻庭芳野。
愛刀「雷神丸国重」改め「千雷」を手に、自ら先陣を切って奥へ進んだ。
先刻の砲撃で恐らく長州勢はかなりの死傷者を出した筈だ。
だが、斬っても払っても、後から後から己らの前に立ち塞がる。
「こやつら、何処から沸いて出る!」
斬り合う中で叫ぶほどにキリが無い。
それでも振り上げては下ろす、払っては突き刺す、
己が手の一部のように馴染む愛刀の動きが途切れる事はけして無い。
目指すは技の剣豪と名高い桂小五郎、ただひとり。
庭先の兵卒を斬り散らして縁側から廊下に上がり、襖の奥から次々と現れる長州軍勢と対峙する。
庭の白砂も障子も血飛沫で紅く染めるが、やはり己の隊服は然程汚さず。
隊長の性格と目的を言わずと理解する三番隊副隊長や伍長、
そして何より隊士達の助力により、その身は確実に邸内奥へと向かっていった。
「桂小五郎殿はどちらに居られる、言え!」
刀をその首に突き立てられるが、遮二無二反撃を繰り出す長州兵。
長州兵の庇う先には、一枚の襖。
奥へ向かう。
視線はその襖から最早離れず。
開け放したその室内に、「逃げの小五郎」は果たして居るか、居ないのか。
どちらであっても、切腹介錯人の命を返上した折に局長に誓った、
「両名の分まで長州を斬ってくる」という言葉は、
その夜、間違い無く達成されただろう。
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<本日の事件>
鷹司邸 砲撃および銃撃戦による
長州軍戦死者 151名
新選組戦死者 16名
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<本日の事件>
十一月二十八日未明に開始された新選組および会津軍による、前関白鷹司邸への砲撃は熾烈を極めた。
「誰一人生かして長州に帰すな」の長門の号令のもと、塀、屋根、柱壁に容赦のなく砲撃を繰り返し、瞬く間に鷹司家を火の海に変えた。
大砲の砲身が焼けて高熱を発し隊士が近づけぬほどになる。
火達磨になり門から飛び出してくる長州兵には、ガトリング砲で銃撃を浴びせる。
「中に久坂玄瑞と寺島、桂小五郎がいる。
必ず討ち取れ。」
黒煙を凄まじく噴き上げ天を焦がし鷹司邸を灰塵にすべく燃え盛る炎は、長州軍の放った伏見の火とは逆に、北から吹く風に煽られ、北から南へと京の町を舐めつくすことになる。
「西本願寺には、いつか倍にして返してやる」
沖天を猛烈に焦がす火を眺めながら長門は笑ったが、それは、四ヶ月後の慶応元年三月に実行されることになる。
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<本日の事件>
十一月二十七日深夜から二十八日未明にかけて。
副長 三波和佐
戦火燃ゆ蛤御門内、激戦続く御所にて、隊士、幕府軍と共に銃を撃ち、刃を振るっていた。
其処に、西本願寺の隊に遅れること暫し、伝令によって齎された一橋慶喜公からの命。
それは、疲弊した男たちに再び闘志の火を灯すには、十分過ぎるものだった。
「……少々早い年末の大掃除だ。
風通しが良くなりゃあ鼠共も飛び出して、積もり積もった煤も埃も多少はすっきりするだろうよ。
お前達、此処に至るまでの鷹司様の持て成しに、誠心誠意、たっぷりと御礼し奉公して差し上げろ」
どうせ長州やそれに与する者によって、広がる火の手や破壊活動は幕府軍や新選組の所為、などと、既に噂がばら撒かれているのだろう。
ならばもう遠慮する事などない。
その「噂」に恥じぬ大暴れを見せ付けるだけだ。
「あんな事をしたこんな事をしたって、嘘もなすり付けもひっくるめて奴らが吹聴してるのは、小娘が好きな男の気を引きたくて意地悪するみてえなもんさ。
しょうがねえな、御期待には応えねえと」
そんな戯れ漏らしながら、至急屯所から大砲を配備。
砲術に秀でた隊士らの中でも腕っこきを揃え、狙う先は前関白『鷹司』の屋敷。
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<本日の事件>
砲声と地響き止まぬ御所紫宸殿(ししんでん)で、一橋慶喜(ひとつばしよしのぶ)と関白『二条斉敬(にじょうなりゆき)』が対座。
関白二条斉敬は、徳川幕府に友好的な公武合体派の公家である。
二条斉敬「一橋殿。
西本願寺への砲撃は、なりません。
京中の西本願寺宗徒を敵に廻すことになります」
一橋慶喜「先に京の町に火を放ったのは長州軍です。
火は、すでに東本願寺に迫りつつある。
家康公の寄進された東本願寺に。
しかも、路地で銃撃戦が行われているため町火消しは近寄れず、火事を食い止める事が出来ません。
京を火の海にした長州兵をみすみす逃し、天王山の軍と合流させても良いと申されるか」
二条斉敬「いま西本願寺に手出しをするのは得策ではありません。
今夜、前関白『鷹司』家への砲撃を強行することにより、公家の大部分は幕府の敵に廻ることになるでしょう。
公家の屋敷に砲撃を強行し、なおかつ西本願寺に砲撃したとあっては、この京の町に幕府の敵が増えすぎます。
新選組には、すぐに撤退命令をお出しください」
一橋慶喜「家康公所縁の東本願寺は今夜にも焼け落ちる。
何故、こんなことが許されるのか」
二条斉敬「その東本願寺の広大な敷地が、延焼を食い止めることになります。
東本願寺より西の地区は、東本願寺のおかげで助かるのです。
御所に隣接した鷹司邸が長州軍の牙城となっている以上、御所を守るためには、まず鷹司邸の長州軍を一掃すべきです」
一橋慶喜による伝令が、すぐさま西本願寺前の新選組へ飛んだ。
「西本願寺より撤退し、前関白『鷹司』の屋敷へ砲撃を開始せよ」と。
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本日の事件 > ・
<本日の事件>
夕刻。
天王山から新たに北上した三百の援軍を得て、長州軍主力部隊は更に勢いを増していた。
長州藩と結びつく過激尊皇派の前関白『鷹司 輔煕(たかつかさすけひろ、藤原北家の傍流)』の、蛤御門に隣接した広大な邸宅は長州軍の陣地に提供されており、長州軍は鷹司の敷地内から塀越しに幕府軍に銃撃を浴びせたため、公家屋敷に発砲できぬ幕府軍は苦戦を強いられた。
一方、陽動作戦を行なった伏見の長州軍は、大垣軍に追われ伏見藩邸に退却し、藩邸の残留部隊と合流した後、伏見藩邸に火を放ち、天王山を目指した。
天王山へ向かう長州兵が寺社や民家に立てこもり追撃軍との銃撃戦を繰り返したため、町火消しは火災現場に近づけず、火は南東から吹く風に煽られ、瞬く間に北へと燃え広がった。
長門率いる新選組五番隊六番隊は、天王山へ向かう長州軍を待ち伏せ銃撃を浴びせて退路を断ち、油小路通りを北へ北へと追い込んでいった。
新選組に追われた長州軍勢は西本願寺に逃げ込んだ。
戦国時代には織田信長と内戦を起こしたほど強大な宗教武装勢力だった西本願寺は、豊臣秀吉に可愛がられた経緯も有り反徳川の色が濃く、尊皇倒幕派の公家や長州藩との繋がりが強い。
長州兵が本願寺敷地内へ逃げ込み終わると、僧侶たちが、幾層もの列を成して門前に立ちふさがり、新選組の侵入を阻んだ。
西本願寺門主「新選組とお見受けするが、此処は寺領である。血刀や銃を携えての侵入はご遠慮いただきたい」
長門雄作「とっととどかねェと、坊主どもの禿げ頭に鉛弾全弾ぶち込むぞ」
西本願寺門主「寺社奉行に話を御通し下さい。
それからなら、お入れ致しましょう」
長門雄作「六番隊伍長。屯所に戻ってすぐ大砲持ってこい。
目には目を、火には火を。
明日には丸焼けだな。西本願寺も」
門主の腹に、臓腑が破裂せんばかりの獰猛な蹴りを叩き込み、地べたに吹き飛んで転がり苦しむ門主に、高笑いを浴びせた。
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